冷たい掌



不安を抱えて
生きるよりずっと
一切の希望を
断ち切った方が
マシだって

僕だって今更
後悔したくないから
ここから
光の射さない道を辿ろう

その時重ねた
確かなこの掌
今はもう
その温度を忘れて

そんなに強くないから
今だって
充分捨て身なんだ

風も吹かないで
波も起きないで
これ以上僕を
揺らさないで欲しくて

声も聞こえないで
誰も触れないで
未来に
背を向けさせて欲しくて


不安を抱えて
生きるよりずっと
一切の希望を断ち切って

僕だって今更
後悔したくないから
光の射さない道を辿ろう

明日が来てしまうから
今だってもう限界なんだ

風も吹かないで
波も起きないで
これ以上僕を
揺らさないで欲しくて

声も聞こえないで
誰も触れないで
未来に
背を向けさせて欲しくて


その時重ねた
確かな心は
もう今は届かなくて

誰もが迎える
確かな明日に
もう僕は届かなくて



詩・曲:さく







2005.6